先物プロップで使う取引ツール(Rithmic、CQG、Tradovate、NinjaTrader の関係と CME の非プロ申告)
- 先物プロップの取引ツールは、注文と相場の情報を取り次ぐ「接続先」(Rithmic、CQG、Tradovate など)と、その上で動く「取引画面」(NinjaTrader、TradingView、Quantower など)の2層でできています。使える取引画面は、接続先で決まります。
- CME の相場の情報を個人の料金で使うには、非プロ(Non-Professional)の条件を満たし、データの契約に署名します。CME の条件には、個人か小さな事業体であること、取引所の会員や登録された投資の専門家でないこと、自分の資産の運用だけに使うことなどがあります。
- 自動売買とコピートレードの扱いは6社で違います。Apex Trader Funding と Take Profit Trader は自動売買を禁止し、ほかの4社は条件つきで認めています。コピートレードは、自分の口座の間に限ると明記する会社が多くあります。
「接続先」と「取引画面」の違い
先物プロップファームの口座を作ると、「Rithmic か Tradovate か」「NinjaTrader は使えるか」といった選択を求められます。名前がたくさん出てきて分かりにくいのは、役割の違うものが同じ「プラットフォーム」と呼ばれているためです。
整理すると、取引に使うツールは次の2層に分かれます。
- 接続先(データと注文の取り次ぎ): 取引所の相場の情報を届け、注文を取引所(プロップのシム口座では模擬の環境)へ送る仕組み。Rithmic、CQG、Tradovate など
- 取引画面(チャートと発注のソフト): 接続先につないで、チャートを見たり注文を出したりするソフト。NinjaTrader、TradingView、Quantower、Sierra Chart など
取引画面は、対応している接続先にしかつなげません。たとえば Lucid Trading(ルシッド・トレーディング) のヘルプは、CQG 系として NinjaTrader、Tradovate、TradingView を、Rithmic 系として Quantower、MotiveWave、Sierra Chart、Bookmap、ATAS、R|Trader Pro などを挙げています。どの取引画面を使いたいかで、選ぶ接続先が決まります。
プロップファームの中には、自社の取引画面を持つ会社もあります。Topstep(トップステップ) は自社の TopstepX(ブラウザで使い、TradingView のチャートを搭載)を用意しています。Apex Trader Funding と Tradeify は、接続先の1つとして WealthCharts を選べます。
Take Profit Trader(テイク・プロフィット・トレーダー) のヘルプは、資金口座の PRO も含め、注文は取引所に送られず、データ業者(Rithmic、Tradovate)のシミュレーションの中で処理されると説明しています。プロップの評価や多くの資金口座は、この形の模擬口座です。
この節の出典(5件)
出典: 公式ヘルプ(記事) / 公式ヘルプ(TopstepX) / 公式サイト / 公式ヘルプ(記事) 2 / 公式サイト 2
Rithmic、CQG、Tradovate、NinjaTrader はそれぞれ何か
よく出てくる4つの名前を、各社の公式サイトの説明で確かめました。
| 名前 | 役割 | 公式サイトの説明(要約) |
|---|---|---|
| Rithmic | 接続先 | 直接市場に注文を出す執行ソフトの提供元。相場の情報の配信、サーバー側の注文、注文前後のリスク管理を持ち、十数種類の取引画面とつながる |
| CQG | 接続先と取引画面 | トレーダー、ブローカー、取引所向けの技術の会社。85の相場の情報源と45の取引所を挙げ、自社の取引ソフト CQG One も持つ |
| Tradovate | 取引画面と先物ブローカー | 先物の取引画面であり先物ブローカーでもある。Mac、PC、iPad、Android、iPhone のアプリがある。NinjaTrader Group のグループ会社 |
| NinjaTrader | 取引画面と先物ブローカー | デスクトップ、ウェブ、モバイルの取引画面と、先物のブローカーの業務を持つ |
プロップファームのヘルプでは、Tradovate はしばしば「CQG 系」として扱われます。Take Profit Trader(テイク・プロフィット・トレーダー) は、データの接続を「CQG(Tradovate 経由)か Rithmic」と説明しています。つまり、Tradovate の口座を選ぶと CQG のデータで動き、Tradovate、NinjaTrader、TradingView などの画面が使える、という関係です。
Tradovate の公式サイトの開示によると、Tradovate と NinjaTrader は同じ NinjaTrader Group のグループ会社です。Tradovate のサイトは、1つのログインで2つの画面を使えることを案内しています。
TradingView はチャートのサービスで、プロップの口座とは接続先を通してつながります。Apex Trader Funding(エイペックス・トレーダー・ファンディング) のヘルプでは Tradovate 接続で使えるとされ、Tradeify のヘルプでは無料版のデータが約5秒遅れ、有料版は月12.95ドル(約2,007円)からと書かれています。
先物プロップ6社が対応している接続先と取引画面
6社の公式ヘルプに載っている接続先と、主な取引画面を並べました。細かい対応ソフトの一覧や接続の手順は、各社のページで確認してください。
| 会社 | 接続先 | 主な取引画面 | 選ぶときの注意 |
|---|---|---|---|
| Apex Trader Funding | Rithmic、Tradovate、WealthCharts | NinjaTrader、TradingView(Tradovate 接続)、R|Trader Pro、ATAS、Quantower、Sierra Chart など | 購入時に選び、後から変換できない。Rithmic は Mac 非対応 |
| Lucid Trading | CQG 系、Rithmic 系 | NinjaTrader、Tradovate、TradingView(CQG 系)、Quantower、R|Trader Pro など(Rithmic 系) | 全ての口座の種類で利用可 |
| My Funded Futures | Tradovate(ほかは確認中) | NinjaTrader、Tradovate、TradingView、Quantower、ATAS など | Rithmic の対応は確認中 |
| Take Profit Trader | CQG(Tradovate 経由)、Rithmic | TradingView、NinjaTrader、Tradovate、R|Trader、Quantower(評価中は無料) | Bookmap、ATAS などは有料のライセンスが必要 |
| Topstep | TopstepX(自社) | TopstepX、Quantower(TopstepX 経由、評価と XFA のみ) | NinjaTrader などの対応は確認中 |
| Tradeify | Tradovate、Rithmic、WealthCharts | Tradovate、NinjaTrader、TradingView(Tradovate)、Quantower、Sierra Chart、R|Trader(Rithmic) | 購入時に選び、後から変更できない |
接続先を購入時に選び、後から変えられない会社があります。Apex Trader Funding(エイペックス・トレーダー・ファンディング) は選び間違えても返金がないと明記しています。Mac を使う人は、Apex Trader Funding のヘルプが Rithmic は Mac に対応せず Windows の仮想環境が要るとしている点に注意してください。
Apex Trader Funding のプラットフォームの選び方を見る
My Funded Futures のプラットフォームを見る
この節の出典(9件)
出典: 公式サイト / 公式サイト 2 / 公式サイト(返金) / 公式ヘルプ(記事) / 公式ヘルプ(記事) 2 / 公式サイト 3 / 公式ヘルプ(TopstepX) / 公式ヘルプ(Quantower) / 公式ヘルプ(記事) 3
CME の非プロ申告:条件と、署名しないとどうなるか
CME の相場の情報を画面に表示して使うには、データの利用者として登録が必要です。CME Group の情報の使用許諾の文書(Schedule 5、2026年1月版)は、利用者を「プロ」と「非プロ(Non-Professional)」に分け、非プロの料金が使える条件を決めています。
CME の文書にある非プロの条件
非プロの利用者は、次の全てを満たす必要があります(Schedule 5 の 8.1 の要約)。
- 先物の取引口座を持っている
- 個人、または小さな事業体(small business entity)である
- どの取引所の会員でもなく、会員権を持ったり借りたりしていない
- 取引所や金融の規制当局に、プロのトレーダーや投資顧問として登録していない
- 証券、銀行、投資などの金融業をする機関のために取引していない
- 情報にアクセスする注文の端末が2台まで
さらに 8.2 では、使い方として、本人の個人的な利用に限ること、自分の資産の運用に限ること、他人の資産の運用に使わないことを求めています。
プロップファームでの申告
6社のうち4社のヘルプに、非プロの申告やデータの契約について記載があります。
- Topstep: CME の非プロ申告が必須
- Tradeify: 初回ログイン時に Non-Professional Agreement への署名が必要。署名しないと月300ドル(約46,500円)のプロの料金になる可能性がある
- Take Profit Trader: Test と PRO は、非プロとしてデータの契約に署名する(CQG、Rithmic とも)
- My Funded Futures: Tradovate の初回ログイン時に相場の情報の契約に署名して有効にする
Apex Trader Funding(エイペックス・トレーダー・ファンディング) と Lucid Trading の非プロ申告の扱いは、公式の記載を確認中です。申告の画面では、上の CME の条件に1つでも当てはまらない項目があればプロとして扱われます。とくに「金融機関で働いていて、その仕事として取引していないか」「投資顧問などの登録がないか」は、自分の状況に合わせて正しく答えてください。
非プロの条件は CME の文書の要約です。正式な条件と最新の版は CME Group と各データ業者の案内で確かめてください。
この節の出典(6件)
出典: 公式サイト(マーケットデータ) / 公式ヘルプ(マーケットデータ) / 公式ヘルプ(記事) / 公式サイト / 公式サイト 2 / 公式ヘルプ(記事) 2
データ料:Level 1 と Level 2(板情報)の費用
プロップファームのヘルプは、基本の相場の情報(Level 1)と、板の厚みを見る情報(Level 2、DOM とも呼ぶ)を分けて扱っています。費用が分かった会社では、Level 1 は料金に含まれ、Level 2 は追加の料金でした。
| 会社 | Level 1 | Level 2 など |
|---|---|---|
| Apex Trader Funding | 評価の料金に含む | 自己負担。Tradovate の CME Bundle L2 は月48ドル(約7,440円) |
| Lucid Trading | 確認中 | 確認中 |
| My Funded Futures | シム口座は確認中 | Live 口座はプロ向けデータの購読をトレーダーが負担 |
| Take Profit Trader | 別途の請求の記載なし | 規約に「データの費用を会社が第三者へ払う」旨の記載 |
| Topstep | 無料(4つの取引所) | 月38ドル(約5,890円)。毎月28日に請求、日割りと返金なし |
| Tradeify | CME の Level 1 は無料 | Level 2 と EUREX は Tradovate のみの有料の追加(金額は確認中) |
Apex Trader Funding(エイペックス・トレーダー・ファンディング) のヘルプでは、追加のデータの解約方法も接続先で違います。Rithmic で買った追加のデータは月末で切れて自動更新されず、Tradovate と WealthCharts は各社の側で解約します。
資金口座から実資金の口座(Live)に移ると、データの扱いが変わる会社があります。Apex Trader Funding(エイペックス・トレーダー・ファンディング) は Live でプロ向けのデータが月約150ドル(約23,250円)かかり、主要なデータ1本は会社が負担すると書いています。My Funded Futures は、Live 口座の CME のプロ向けデータ、手数料、ライセンスの費用を口座の残高から差し引くとしています。
この節の出典(7件)
出典: 公式サイト / 公式サイト 2 / 公式サイト 3 / 公式ヘルプ(実資金口座) / 公式の利用規約 / 公式ヘルプ(マーケットデータ) / 公式ヘルプ(記事)
自動売買とコピートレードの扱い(6社の比較)
取引画面の多くは、自動売買(ストラテジーやボット)や、1つの口座の注文を別の口座にも出すコピートレードの機能を持っています。使えるかどうかはツールではなく、プロップファームのルールで決まります。
| 会社 | 自動売買 | コピートレード |
|---|---|---|
| Apex Trader Funding | 不可 | 本人名義の資金口座(PA)の間で、同じ方向のみ可 |
| Lucid Trading | 可(ルールを守る前提、誤作動は自己責任)。HFT は禁止 | 可 |
| My Funded Futures | 自分の設定に合わせたものは可。シムの有利な約定を狙うものは不可 | 全ての口座の種類で可。他のトレーダーとのコピーは禁止 |
| Take Profit Trader | 全口座で禁止 | 自分が持つ口座の間のみ。承認されたツールを使う |
| Topstep | 条件つきで可。VPS や VPN 経由の発注は禁止 | 自分の口座の間で可(TopstepX 内蔵のコピー機能) |
| Tradeify | 条件つきで可(自分だけが持つ、他社と共有しない、HFT でない、など) | 自分の口座の間のみ。全ての口座が同じ方向であること |
Topstep(トップステップ) の TopstepX には、自動売買用の API(ProjectX が提供、月29ドル(約4,495円))がありますが、シム環境用で、実資金の口座では使えません。Tradeify は、Tradovate の API は Live Funded の口座だけで、評価とシムの資金口座では使えないとしています。
コピートレードでは、口座の間で逆の向きの建玉ができるとヘッジの違反になります。Tradeify(トレードファイ) は、逆向きの設定はヘッジ違反になると明記しています。Take Profit Trader も、コピーが原因でも逆建ては違反としています。他人の口座とのコピーや、パソコンなどの端末の共有を禁じる会社もあります。
この節の出典(18件)
出典: 公式サイト(禁止行為) / 公式サイト / 公式サイト 2 / 公式ヘルプ(記事) / 公式ヘルプ(禁止行為) / 公式ヘルプ(禁止行為) 2 / 公式ヘルプ(コピートレード) / 公式サイト 3 / 公式サイト 4 / 公式ヘルプ(評価のルール) / 公式ヘルプ(TopstepX) / 公式ヘルプ(XFA) / 公式ヘルプ(TopstepX) 2 / 公式ヘルプ(記事) 2 / 公式ヘルプ(記事) 3 / 公式ヘルプ(記事) 4 / 公式ヘルプ(コピートレード) 2 / 公式ヘルプ(記事) 5
取引ツールを選ぶ前に確かめること
ここまでの内容を、口座を買う前の確認の順番にまとめます。
- 使いたい取引画面を決める(NinjaTrader、TradingView、Quantower など)
- その取引画面が、どの接続先(Rithmic、CQG、Tradovate)に対応しているかを確かめる
- 使うパソコンが Windows か Mac かを確かめる(Rithmic は Mac に対応しないという案内がある)
- 口座を買う会社が、その接続先と取引画面に対応しているか、後から変更できるかを確かめる
- Level 2 などの追加のデータが必要か、その料金はいくらかを確かめる
- 自動売買やコピートレードを使うなら、その会社のルールで認められているかを確かめる
- 初回のログインで、CME の非プロの条件に合わせてデータの契約に正しく答える
接続先によって、手数料や、ドローダウンの扱いが変わる会社もあります。たとえば Apex Trader Funding(エイペックス・トレーダー・ファンディング) は、評価中のドローダウンが Rithmic と WealthCharts では利益目標の残高で止まり、Tradovate では止まらないと書いています。ツールを選ぶときは、使いやすさだけでなく、こうしたルールの違いも合わせて見てください。
Apex Trader Funding の接続先ごとの違いを見る
この節の出典(4件)
出典: 公式サイト / 公式サイト 2 / 公式ヘルプ(記事) / 公式サイト(マーケットデータ)
よくある質問
Rithmic と Tradovate はどちらを選べばよいですか?
使いたい取引画面で決まります。Tradovate 接続なら Tradovate、NinjaTrader、TradingView が、Rithmic 接続なら R|Trader Pro、Quantower、Sierra Chart などが使えます。Mac を使う場合、Apex Trader Funding(エイペックス・トレーダー・ファンディング) のヘルプは Rithmic が Mac に対応しないとしています。
この節の出典(3件)
出典: 公式ヘルプ(記事) / 公式ヘルプ(記事) 2 / 公式サイト
CME の非プロ申告とは何ですか?
CME の相場の情報を個人向けの料金で使うための申告です。CME の文書では、個人か小さな事業体であること、取引所の会員や登録された投資の専門家でないこと、自分の資産の運用だけに使うことなどが条件です。
出典: 公式サイト(マーケットデータ)
非プロのデータ契約に署名しないとどうなりますか?
Tradeify(トレードファイ) のヘルプは、署名しないと月300ドル(約46,500円)のプロの料金になる可能性があると書いています。Topstep は非プロ申告を必須にしています。
この節の出典(2件)
出典: 公式ヘルプ(記事) / 公式ヘルプ(マーケットデータ)
先物プロップで NinjaTrader は使えますか?
Apex Trader Funding(エイペックス・トレーダー・ファンディング)、Lucid Trading、My Funded Futures、Take Profit Trader、Tradeify のヘルプに対応の記載があります。Topstep のヘルプでは NinjaTrader の対応を確認できていません(確認中)。
この節の出典(5件)
出典: 公式サイト / 公式ヘルプ(記事) / 公式ヘルプ(記事) 2 / 公式サイト 2 / 公式ヘルプ(記事) 3
先物プロップで自動売買はできますか?
会社によります。Apex Trader Funding(エイペックス・トレーダー・ファンディング) と Take Profit Trader は禁止です。Lucid Trading、My Funded Futures、Topstep、Tradeify は条件つきで認めています。条件は会社ごとに違うので、使う前に各社のヘルプで確かめてください。
この節の出典(6件)
出典: 公式サイト(禁止行為) / 公式サイト / 公式ヘルプ(記事) / 公式ヘルプ(禁止行為) / 公式ヘルプ(評価のルール) / 公式ヘルプ(記事) 2
Lucid Trading